ロレックス ヨットマスター その2

前編で自動巻機構に問題ありと推測しました
今回は具体的な不具合箇所とその修理をご紹介します

外した瞬間に具合が悪い原因が分かるぐらいに赤サビの削れカスが積もっていました、掃除する前の写真撮ってないですが
赤さびの発生源はこいつです

自動巻きのローター芯が油切れして摩耗、さらに少し湿気があってサビが回った、と推理します
公式ではこの部分の注油はオイルなのですがグリスのほうが具合がいいような気がします
グリスの方が具合がいいような気がしますが製造元がオイルというので当店では基本的にオイルを使っています
何十年と蓄積されたメーカーのノウハウの結果としてオイルなのでしょうから素直に従うのです
ローター芯を交換する必要があります

純正品で交換作業を進めます、部品が入荷しました

ローター芯はかしめてあるので打ち抜く必要があります、上下のタガネの選定とセンター出しが肝です

キレイに抜けました
次は新品の芯をカシメます
各キャリバーごとにサイズ、種類があります

3135のタガネをセットします

このままかしめるとローターの鏡面部分に傷がつきますのでうまく養生する必要があります
キレイにかしめることができました


ローターの修理が終わったので自動巻きモジュールの組み込んでローターのあがき(あそび)を確認します
きつすぎても緩すぎてもいけません
あがきが少なかったり大きかったりする場合はロータークリップと呼ばれる部品を交換して対応します
形は同じなのですが違う厚みのものが何種類か準備されています
ローター芯がサビていた割にはクリップの摩耗は全くと言っていいほど見られませんでした
予想通りクリップの交換は不要でそのまま使えるようです
自動巻きモジュールの修理が終わった状態でいったん仮組み、動作に支障がない事を確かめます
はい、写真は撮っていません
問題なさそうなので全体の分解掃除をしてランニングテストを行い不具合のない事を確認します
各姿勢差を測定して修理完了です
久々野駅前 徒歩10秒
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メガネ・宝石・トケイ 芝田
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