久しぶりのマニアック記事です
お久しぶりです akrです
ながらくサボっていましたがこれではいかんと一念発起して書いた次第でございます
意味不明な個所が多々あるかと思いますがどうぞ分かったふりをしてお楽しみください

前回からだいぶ間隔があいてしまいました
※実は記事だけは書いてあったのですが後述する写真を撮るのを後回しにしていたら二か月も経ってしまいました
IWCのアンティークウオッチ

前回は機械的な修復を完了したところまで記事にしました
今回は時計としての機能の復活を目指します
残念ながら今回の記事は作業を途中で止めて写真をとったりしていません
ですので類似部品で作業のイメージ画像を取り直しました
集中していても写真を撮る癖をつけようといつも思っていはいるのですが…

※この写真はイメージです(状態のいいテンプです)
時計の機能としてのキモの部品、テンプです
テンシンを入れ替えたのか、はたまた何かにあててしまったかあまりいい状態ではありませんでした
テンワという真鍮のわっかの部分が水平になっていません
踊ってしまっています


振れ見機という工具で水平を出します
曲がっている部分を見つけ出し指で曲げます
力加減を間違えれば軸が折れてしまいます、軸先端の太さは約0.1mm
水平がとれれば振れ取りは完了です
ちなみにこの工具は手作りです、市販もされていますが18歳の時、学生時代に作った工具です
結構使い勝手がよくて重宝しています
ゲージの穴をもっと気合い入れて作ればよかったですね(笑)
18歳の当時、何に使うのかも分からず作った工具です

次は巻き上げひげの修正です
写真は内端修正中です、ヒゲの中心の広がり方と水平度を見ます
その後、受けに水平に、ヒゲの中心がテンプの中心に来るように調整します
この時点で仮組します
テンプの振りもよくなったのでいったん歩度測定(一日の遅れ進みの測定)を行います
片振りもヒゲを回して調整、1.0ミリ秒以下にして各姿勢差を測定します
片振り調整とは時計のカチカチする音を等間隔にする工程です
最近の時計は可動ヒゲ持ちと言って分解することなく片振りを指先一つで楽に調整できます
その前の時代はそうはいきません
いったん下の写真のようにテンプを外し、テンプの真ん中にあるヒゲの中心の切れ込みにマイナスドライバーを薄く研いだものを差し込んでテンプを回してやります
うっかり手を滑らせると悲惨です
一からすべてやり直しに…

この時代によくある切りテンプ、周りの縁が二か所切れています

オリジナルのままなのにめちゃくちゃな時間が出たりします
それは今自分が触るまでに紆余曲折あったのでしょう
仕方ありません、長老です、100年生きてるときっといろいろあるんでしょうね
秘密のテクニックで平姿勢で常識的なところまで合わせます
次は縦姿勢を見ていきます

これが平姿勢 地面に平らに置いてあります

こちら縦姿勢 地面に対して縦に置いてあります
縦と横で歯車に対する摩擦が大きく変わりますので歩度にくるいが出ます

※このメモは測定時のメモです 本体の写真…撮ってません…
文字盤から見て 3時上、6時上、9時上、12時上 4姿勢を測ります
補足 ・DD-dial down ・DU-dial up ・3U-3 o'clock up(3時上)
文字盤上と下、平姿勢の歩度は +2秒 ですが
メモの最上段が一発目の歩度測定です
6時上の時の一日の歩度が -80秒
正反対にあたる12時上の時の歩度が +80秒
こんな時はテンプの片重りが原因です
簡単にいうと重量バランスがとれていません
片重り取りを行いますが方法も二種類あります
こんな工具を使って片重りをとる方法を静的片重り取り

今回は時計に組み込んで動かしながら行う動的片重り取りを行います

周りのちらネジを外してチラ座というおもりをつけたりしてバランスをとっていきます

※ちら座 定規上側メモリは0.5mm ちらネジを外してこれを取り付けて重りにします
少し良くなりました

※二段目の数値になりました(-7 -7 -6 -40 +8 +56)
さらに緩急針を調整します全体的に +15秒されます
もう少し追い込んでみます

※再下段
出来すぎなくらいに良くなりました、かなりミラクル入ってますね
手巻きの時計ですのでゼンマイをいっぱい巻いた時とほどけた時で精度は変わります
現在は一杯まで巻いてあるので次は24時間経過後の歩度も測定します

※marvelous!
完了です
110年前の機械ですが十分に実用できる精度です
遅れ進みはいろんな要因が絡み合って起きるものです
今回はたまたまほとんどの原因が片重りだけだったのでこんな驚異的な精度が出たと言えます
ずいぶんなおじいちゃん時計ですが若いもんに負けてません
頑張れ110歳!(アンティーク、完全非防水です、水気にご注意を)
ながらくサボっていましたがこれではいかんと一念発起して書いた次第でございます
意味不明な個所が多々あるかと思いますがどうぞ分かったふりをしてお楽しみください
前回からだいぶ間隔があいてしまいました
※実は記事だけは書いてあったのですが後述する写真を撮るのを後回しにしていたら二か月も経ってしまいました
IWCのアンティークウオッチ

前回は機械的な修復を完了したところまで記事にしました
今回は時計としての機能の復活を目指します
残念ながら今回の記事は作業を途中で止めて写真をとったりしていません
ですので類似部品で作業のイメージ画像を取り直しました
集中していても写真を撮る癖をつけようといつも思っていはいるのですが…

※この写真はイメージです(状態のいいテンプです)
時計の機能としてのキモの部品、テンプです
テンシンを入れ替えたのか、はたまた何かにあててしまったかあまりいい状態ではありませんでした
テンワという真鍮のわっかの部分が水平になっていません
踊ってしまっています


振れ見機という工具で水平を出します
曲がっている部分を見つけ出し指で曲げます
力加減を間違えれば軸が折れてしまいます、軸先端の太さは約0.1mm
水平がとれれば振れ取りは完了です
ちなみにこの工具は手作りです、市販もされていますが18歳の時、学生時代に作った工具です
結構使い勝手がよくて重宝しています
ゲージの穴をもっと気合い入れて作ればよかったですね(笑)
18歳の当時、何に使うのかも分からず作った工具です

次は巻き上げひげの修正です
写真は内端修正中です、ヒゲの中心の広がり方と水平度を見ます
その後、受けに水平に、ヒゲの中心がテンプの中心に来るように調整します
この時点で仮組します
テンプの振りもよくなったのでいったん歩度測定(一日の遅れ進みの測定)を行います
片振りもヒゲを回して調整、1.0ミリ秒以下にして各姿勢差を測定します
片振り調整とは時計のカチカチする音を等間隔にする工程です
最近の時計は可動ヒゲ持ちと言って分解することなく片振りを指先一つで楽に調整できます
その前の時代はそうはいきません
いったん下の写真のようにテンプを外し、テンプの真ん中にあるヒゲの中心の切れ込みにマイナスドライバーを薄く研いだものを差し込んでテンプを回してやります
うっかり手を滑らせると悲惨です
一からすべてやり直しに…

この時代によくある切りテンプ、周りの縁が二か所切れています

オリジナルのままなのにめちゃくちゃな時間が出たりします
それは今自分が触るまでに紆余曲折あったのでしょう
仕方ありません、長老です、100年生きてるときっといろいろあるんでしょうね
秘密のテクニックで平姿勢で常識的なところまで合わせます
次は縦姿勢を見ていきます

これが平姿勢 地面に平らに置いてあります

こちら縦姿勢 地面に対して縦に置いてあります
縦と横で歯車に対する摩擦が大きく変わりますので歩度にくるいが出ます

※このメモは測定時のメモです 本体の写真…撮ってません…
文字盤から見て 3時上、6時上、9時上、12時上 4姿勢を測ります
補足 ・DD-dial down ・DU-dial up ・3U-3 o'clock up(3時上)
文字盤上と下、平姿勢の歩度は +2秒 ですが
メモの最上段が一発目の歩度測定です
6時上の時の一日の歩度が -80秒
正反対にあたる12時上の時の歩度が +80秒
こんな時はテンプの片重りが原因です
簡単にいうと重量バランスがとれていません
片重り取りを行いますが方法も二種類あります
こんな工具を使って片重りをとる方法を静的片重り取り

今回は時計に組み込んで動かしながら行う動的片重り取りを行います

周りのちらネジを外してチラ座というおもりをつけたりしてバランスをとっていきます

※ちら座 定規上側メモリは0.5mm ちらネジを外してこれを取り付けて重りにします
少し良くなりました

※二段目の数値になりました(-7 -7 -6 -40 +8 +56)
さらに緩急針を調整します全体的に +15秒されます
もう少し追い込んでみます

※再下段
出来すぎなくらいに良くなりました、かなりミラクル入ってますね
手巻きの時計ですのでゼンマイをいっぱい巻いた時とほどけた時で精度は変わります
現在は一杯まで巻いてあるので次は24時間経過後の歩度も測定します

※marvelous!
完了です
110年前の機械ですが十分に実用できる精度です
遅れ進みはいろんな要因が絡み合って起きるものです
今回はたまたまほとんどの原因が片重りだけだったのでこんな驚異的な精度が出たと言えます
ずいぶんなおじいちゃん時計ですが若いもんに負けてません
頑張れ110歳!(アンティーク、完全非防水です、水気にご注意を)
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